上の歯のインプラント治療が難しい理由とは?理由を解説

▼目次

 
失った歯を補うための治療のひとつに、インプラント治療があります。その中でも、特に上の歯のインプラント治療は難易度が高いとされています。その理由には、上顎の特有の解剖学的構造や骨の状態が関係しています。
 
今回は、上の歯のインプラント治療が難しいと言われる理由、そして治療を成功させるためのポイントについて詳しく解説します。
 
 

1. 上の歯のインプラント治療が難しいと言われる理由とは?

上の歯のインプラント治療が難しいとされるのは、上顎特有の解剖学的な構造や骨の性質、口腔内の状態が下顎に比べて不利な要素を持っているためです。以下に、その具体的な理由を詳しく解説します。
 

①骨が軟らかい

上顎の骨は、下顎に比べて柔らかい傾向があります。
骨には大きく分けて、硬く密度の高い「緻密骨」と、柔らかくスポンジ状の「海綿骨」があります。上顎の骨はこの海綿骨の割合が高いため、インプラントを埋め込んだ際の初期固定が不十分になることがあります。
インプラントが骨としっかり結合するためには、治療初期に固定されることが重要ですが、骨が軟らかいと、インプラントの安定性が得られにくいという注意点があります。
 

➁骨量不足が起きやすい

歯を失うと、顎の骨は刺激を受けなくなるため骨の吸収が進みます。
この骨吸収は上顎で特に顕著です。上顎の骨は血流が少なく、再生能力が下顎よりも劣ります。そのため、歯を失った後の骨量の減少が加速しやすいです。
 

➂骨の厚さや高さが足りない

奥歯(臼歯)部分では、上顎洞(後述)との距離が近いため、骨の高さが不足しているケースが多いです。インプラントを埋め込む際の最低限の骨量を確保できないと治療が難しくなります。
下顎と比べると、上顎の歯列は噛む力を支える基盤が弱いため、インプラントの設置位置や角度に細心の注意が求められます。
 

④歯ならびの形状

上顎の歯列はアーチ状になっており、力が均等に伝わらないことがあります。このため、インプラントが過剰な力を受けると骨吸収やインプラントの脱落を引き起こすリスクがあります。
 
上顎のインプラント治療が難しいとされる理由には、骨の質や量、上顎洞の存在、噛む力の分散の難しさなど、多くの課題が絡み合っています。しかし、補助手術(骨造成やサイナスリフトなど)を用いることで、多くのケースで治療が可能となっています。上顎のインプラント治療を検討している場合は、歯科医師に相談し、口腔内の状況に応じた治療法を選択することが重要です。
 

2. 上顎洞とインプラント治療の関係性について

上顎洞(サイナス)は、上顎の歯の上部かつ鼻の外側にある空洞です。
この上顎洞が上顎のインプラント治療において重要です。
 

上顎洞の役割と構造

上顎洞は鼻腔に繋がる空洞であり、呼吸や頭部の軽量化に寄与しています。しかし、歯を失うと骨が薄くなるため、インプラントを埋め込むための骨の高さが不足してしまいます。
この状態では、インプラントを埋め込む手術が直接的に上顎洞に影響を与える可能性があり、慎重な治療計画が必要です。
 

上顎洞底挙上術(サイナスリフト)

骨の高さをかせぐ方法として上顎洞底挙上術(サイナスリフト)があります。この手術は、上顎洞の底を持ち上げ、その下に骨を移植することでインプラントを支える骨のボリュームを増やします。この方法は、インプラント治療の成功率を高めるために有効ですが、追加手術となるため患者さんの負担が増える点がデメリットと言えます。
 
 

3. 上の歯のインプラント治療を成功させるためのポイント

上顎のインプラント治療を成功させるためには、以下のポイントがあります。
 

①歯科用CT撮影による正確な診断

上顎のインプラント治療では、上顎洞や骨の状態を正確に把握することが重要です。CT撮影を行うことで、骨の厚みや密度、上顎洞の位置などを詳細に確認でき、精密な治療計画を立てることが可能になります。
 

➁適切なインプラントの種類の選択

骨の密度が低い場合には、特別な形状や素材を使用したインプラントが選択されることがあります。例えば、表面加工が施されたインプラントは骨との結合が強化されるため、上顎でも高い安定性が期待できます。
 

➂骨移植や骨造成

骨量が不足している場合、骨移植や人工骨を用いた骨造成が行われます。これにより、インプラントを支えるための十分な骨を確保できます。特に上顎洞付近では、サイナスリフトと組み合わせることで骨量を増やすこともインプラント治療成功のためのポイントとなります。
 
上の歯のインプラント治療が難しいとされる理由は、骨の質や量、上顎洞の存在といった上顎特有の特徴にあります。しかし、適切な診断や治療計画、必要に応じた補助手術を行うことが、多くのケースで治療の成功に繋がる可能性があります。特に、骨量不足や上顎洞の問題がある場合でも、骨移植やサイナスリフトなどの技術を活用することで解決できます。
 
横浜市緑区の歯医者 長津田おさまる歯科クリニックでは、インプラント治療をはじめとした口腔外科治療を行っています。横浜市緑区、長津田駅周辺でインプラント治療についてお困りの方は、長津田おさまる歯科クリニックまでご相談ください。
 

 

監修:長田 裕行


経歴:
昭和大学歯学部卒業
北海道大学予防歯科医局
熊澤歯科クリニック研修
神奈川県内歯科クリニック分院長
長津田おさまる歯科クリニック開業

 
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