親知らずって何歳から生えるの?生える時期と抜歯が必要なケースを解説

▼目次

 
親知らずは、一度は耳にしたことがある歯の名前ですが、「いつ生えてくるのか?」「抜歯が必要なのか?」について詳しく知っている人は少ないかもしれません。
親知らずは、他の歯とは異なり、遅れて生えてくることが多く、痛みや不快感を伴うこともあります。さらに、生え方によっては、抜歯が必要なケースも少なくありません。今回は、親知らずが生え始める時期や抜歯が必要な状況について詳しく解説していきます。
 
 

1. 親知らずとは?何歳頃から生えるの?

親知らずは第三大臼歯とも呼ばれる、口の一番奥に位置する4本の歯のことです。
通常、永久歯は15歳頃までに生えそろいますが、親知らずは20歳前後に生えることが一般的です。
名前の由来は、親元を離れてから生えてくるため、「親知らず」と呼ばれるようになりました。

親知らずは上下左右に1本ずつ、計4本生えるとされていますが、必ずしもすべての人に生えているわけではありません。先天的に親知らずがない人や、4本すべてが揃わない人もいます。また、外からは見えなくても、歯茎の中に埋まっているケースもあるため、自分では気づかない場合もあります。親知らずの生える時期は個人差が大きく、10代前半に生えることもあれば、30代を過ぎてから生えることもあります。近年の食生活や顎の発達が、親知らずの生え方に影響を与えていると考えられています。
 

2. 親知らずが生える兆候と症状

親知らずが生え始めると、さまざまな兆候や症状が現れることがあります。これらの兆候を早期に認識することで、適切な対策を取ることができます。主な兆候と症状は以下の通りです。

①痛み

親知らずが歯茎や顎骨に圧力をかけることで、痛みを感じることがあります。
特に、親知らずが斜めや横向きに生えている場合、汚れが溜まり歯茎に炎症が起きたり、むし歯になったりします。その際、痛みを感じることが多く、放置すると強い痛みや違和感、頭痛につながることがあります。
 

②腫れ

親知らずが生えてくる際には、歯茎が炎症を起こし腫れることがあります。腫れは歯茎の部分だけでなく、顎や顔全体に広がることもあります。親知らずが周囲の組織を押し出しながら生えてくるため、これは正常な反応ですが、急激な腫れや痛みがある場合は感染の兆候である可能性がありますので注意が必要です。
 

③出血

親知らずに炎症が起こると、ブラッシングや食事の際に刺激となり出血することがあります。一時的なもので、通常は自然に治まります。しかし、出血が長引く場合や頻繁に出血が起きる場合は、歯科医師による診察が必要です。
 

④炎症

親知らずが部分的にしか生えない場合、歯茎に覆われた部分に細菌が入り込み、炎症を引き起こすことがあります。この状態を「智歯周囲炎」と呼び、放置すると感染が広がり、痛みや腫れがひどくなる場合があります。最悪の場合、膿がたまることもあるため、早期の対応が重要です。
 

3. 親知らずの抜歯が必要なケースとは?

親知らずは、生え方や位置によって、他の歯や口腔全体にさまざまな悪影響を及ぼすことがあります。以下は、抜歯が必要とされる代表的なケースです。
 

①親知らずが斜めや横向きに生えている場合

親知らずが斜めや横向きに生えていると、隣の歯に圧力をかけることで、痛みや歯列不正の原因となることがあります。特に、隣接する歯を押し出して歯並びが悪くなると、矯正治療が必要になることもあるため、早期に抜歯が必要となることが多いです。
 

②感染やむし歯が発生している場合

親知らずは奥に位置しており、歯ブラシが届きにくいため、磨き残しが原因でむし歯や感染が起こりやすいです。特に、親知らず周囲の歯茎が炎症を起こしたり、むし歯が進行したりすると、口腔全体の健康に悪影響を及ぼす可能性があるため、抜歯が推奨されます。
 

➂親知らずが部分的にしか生えていない場合

親知らずが完全に生えず、歯肉の一部に埋もれた状態だと歯肉の下に細菌が入り込みやすく、炎症や感染を引き起こすリスクが高まります。このようなケースでは、抜歯を行うことでさらなる問題を未然に防ぐことができます。
 

➃歯並びに影響がある場合

顎のスペースが不足している場合、親知らずが生えることで他の歯を押してしまい、歯列全体に影響を与えたり痛みが生じたりすることがあります。このようなケースでは、親知らずを抜歯することで、歯列不正や痛みの原因を取り除くことができます。
 
 
 

親知らずによって生じる問題は早期発見と適切な対応で大きなトラブルを避けることが可能です。正しい知識と対処法を持っていれば、痛みや腫れなどのトラブルを最小限に抑えることができます。親知らずは、症状が出る前に適切なケアや診察を受けることが大切で、放置すると症状が悪化することもあります。

この記事で紹介した内容を参考に、親知らずに対する備えをしっかりと整え、問題が発生した際には速やかに対応しましょう。長津田おさまる歯科クリニックでは、親知らずに関する診断や抜歯治療を行っておりますので、気になる症状や不安がある場合はぜひご相談ください。
 
 

監修:長田 裕行


経歴:
昭和大学歯学部卒業
北海道大学予防歯科医局
熊澤歯科クリニック研修
神奈川県内歯科クリニック分院長
長津田おさまる歯科クリニック開業

 
アクセス
MENU
TOPへ