顎関節症ってどうしたらいい?セルフケアで症状をやわらげる方法と注意点
▼目次
あごの関節あたりで「カクカク」と音が鳴ったり、口を大きく開けづらくなったりした経験はありませんか?これらは、顎関節症(がくかんせつしょう)の代表的な症状です。違和感や痛みを感じていても、「そのうち治るだろう」と放置してしまう方も少なくありません。しかし、悪化すると食事や会話に支障をきたすこともあります。今回は、顎関節症の主な症状や原因、日常生活でできるセルフケアの方法、そして受診すべきタイミングについて解説します。
1. 顎関節症ってどんな症状?
顎関節症は、あごの関節や周囲の筋肉に異常が生じることで、痛みや違和感が現れる状態です。症状の程度や現れ方は人によって異なりますが、以下のようなケースがよく見られます。
①クリック音(関節音)が鳴る
口の開閉時に「カクッ」「ジャリッ」といった音が鳴ることがあります。これは関節内の軟骨(関節円板)がずれて動くことが関係していると考えられています。
②あごが痛む
会話や食事、あくびなどあごを動かす際に痛みを感じることがあります。特に咀嚼時の痛みが特徴的です。
③口が開けづらい
口を大きく開けようとしても開きにくい、または左右にずれてしまうケースがあります。重症の場合は、指が縦に2本しか入らないほど開口障害が起こることもあります。
④あごが疲れやすい・こわばる
長時間の会話や食事の後にあごがだるく感じる、重くなるといった症状が現れることもあります。
⑤耳の周囲の違和感
あごの関節は耳のすぐ前にあるため、耳の痛みや耳鳴り、閉塞感を訴える方もいます。
症状が一時的に軽くなることもありますが、繰り返したり慢性化することもあるため、早めの対処が大切です。
2. 顎関節症の痛みはどうしたら和らぐ?セルフケア方法と注意点
軽度の顎関節症であれば、日常生活の工夫やセルフケアによって症状が和らぐことがあります。ただし、間違った方法をとるとかえって悪化することもあるため、正しい対処法を知ることが大切です。
①硬いもの・大きいものを避ける
スルメ、氷、せんべいなどの硬い食品や、ハンバーガーのように口を大きく開ける必要がある食品は、顎関節や筋肉に負担をかけます。 顎関節症の症状がある間は、やわらかい食事や、一口サイズにカットしたものを選ぶのがおすすめです。
②顎の筋肉に負担をかけない生活習慣を意識する
頬杖やうつ伏せ寝、歯ぎしりなどのクセは、無意識のうちに顎へ偏った力をかけてしまいます。また、スマホやパソコンを長時間使用する際の前かがみの姿勢は、首から顎にかけての筋肉を緊張させ、関節に影響を及ぼす可能性があります。正しい姿勢を意識し、顎に負担の少ない生活習慣を心がけましょう。
③筋肉をリラックスさせるマッサージや温熱療法
顎関節症の痛みに関係が深い「咬筋(こうきん)」は、こめかみや耳の前あたりにあります。指の腹で優しく圧をかけながら円を描くようにマッサージすると、筋肉の緊張が和らぎやすくなります。入浴中などにおすすめです。また、温かいタオルを顔にあてる温湿布は、血行を促し、筋肉のこわばりをほぐす効果が期待できます。1日2〜3回、1回10分程度を目安に行いましょう。
④夜間の歯ぎしり・食いしばり対策
睡眠中の歯ぎしりや食いしばりは無意識に行われるため、自覚しにくいものです。朝起きたときに顎の疲れや痛みを感じる場合、歯ぎしりが原因となっている可能性があります。市販のナイトガードでは適切なフィット感が得られないことがあるため、歯科医院で自分専用のマウスピースを作成するのが望ましいでしょう。また、就寝前にリラックスできる習慣(軽いストレッチや深呼吸など)を取り入れるのも有効です。
⑤セルフマッサージとストレッチの注意点
無理に顎を動かすストレッチは、症状を悪化させることがあります。痛みが強いときは控え、ゆっくりとした動作で行いましょう。また、「あくびのように口を大きく開ける」練習は、少しずつ開口範囲を広げることを意識し、急激な動作は避けましょう。
⑥冷やすタイミングを見極める
炎症が強い(熱感がある、腫れている)場合は、冷却が適していることもあります。ただし、通常は温めた方が筋肉がほぐれやすいため、自己判断での冷やしすぎには注意が必要です。
これらの方法はあくまで軽度の顎関節症に対するセルフケアです。数日経っても症状が改善しない場合や、痛みが強くなる場合は、早めに歯科医院を受診しましょう。
3. 顎関節症はいつ受診すべき?セルフケアの限界と受診の目安
セルフケアを続けても症状が改善しない、または日常生活に支障が出る場合は、歯科医院や口腔外科の受診を検討しましょう。特に、以下のようなケースでは早めの受診が望ましいとされています。
①痛みが強く続く場合
数日間セルフケアを行っても痛みが引かない、または悪化している場合、関節や筋肉に慢性的な炎症が起きている可能性があります。市販の痛み止めで対処するより、受診を検討しましょう。
②口が開かない、または左右にずれて開く場合
口が指2本分(約2.5cm)以上開かない場合や、開けると左右にずれる場合、顎関節内の構造に問題が生じている可能性があります。 このような開口障害は、自然に改善しない場合もあるため、受診を検討しましょう。
③関節音が激しく、不快に感じる場合
クリック音やジャリジャリとした関節音が強く、食事や会話に支障がある場合、治療が必要になるケースもあります。痛みがない場合は経過観察も選択肢ですが、違和感が続くなら受診を検討しましょう。
④症状が繰り返される場合
一度症状が和らいでも、再発を繰り返す場合は、根本的な原因が残っている可能性があります。噛み合わせや日常の習慣が関係していることもあるため、歯科医師の診察を受けることをおすすめします。
⑤生活や仕事に影響が出ている場合
食事がしにくい、会話がつらい、顎の不調で集中できないなど、日常生活に支障があるときは、我慢せずに受診を検討しましょう。
顎関節症の治療は、まず保存療法(マウスピース療法、理学療法、薬物療法など)が基本となります。手術が必要になることは稀ですが、早めに対応することで治療期間の短縮や症状の悪化を防ぐことが期待できます。
4. 横浜市緑区の歯医者 長津田おさまる歯科クリニックの顎関節症治療
「顎に痛みがある」「口を開けると音が鳴る」「口が開きにくい」など、顎関節症の症状は人によってさまざまです。
症状が悪化すると、身体のバランスが崩れ、頭痛や腰痛、肩こりといった全身の不調が現れることがあります。
横浜市緑区 長津田駅近くの歯医者 長津田おさまる歯科クリニックにご相談に来られる患者さんは顎関節症でお悩みの方はもちろん「顎関節症かもしれない」と不安を抱えている方や、「他院で治療を受けたけれど改善しない」とお悩みの方なども来院されています。
患者さんの中には身体の不調の原因が顎関節症にあると気づかず、対処が遅れてしまうケースも多く見られます。
先ずはご相談にいらしていただければと思います。
また、不安を抱えたまま治療に入るのは誰でも気が進まないものです。
長津田おさまる歯科クリニックでは、顎関節症の治療に際し、まず患者さんの症状や原因について丁寧にご説明し、ご理解いただいてから治療を開始いたします。
安心して治療に臨んでいただけように、治療中の不安や疑問も気軽にご相談いただける体制を整えています。
大切なのは、「治る」とは必ずしも「すべてが元通りになる」ことではなく、「健康な生活を取り戻す」ことです。
長津田おさまる歯科クリニックでは、患者さんが再び健康な日常生活を送れるよう、しっかりとサポートいたします。
5. まとめ
顎関節症は、痛みや開口障害、あごの違和感などが現れ、日常生活に影響を与えることがあります。軽度の場合、セルフケアで症状が和らぐこともありますが、長引く場合や強い痛みがある場合は、歯科・口腔外科の受診を検討しましょう。適切な診断と対処を行うことで、症状の悪化を防ぐ一助になります。
横浜市緑区 長津田駅近くの歯医者 長津田おさまる歯科クリニックでは、一人ひとりの状況に合わせた診療で、お口の健康をサポートいたします。
横浜市緑区 長津田駅周辺で顎関節症の診療をご希望の方は、長津田おさまる歯科クリニックまでご相談ください。
監修:長田 裕行
経歴:
昭和大学歯学部卒業
北海道大学予防歯科医局
熊澤歯科クリニック研修
神奈川県内歯科クリニック分院長
長津田おさまる歯科クリニック開業